お遍路(高知県内)の札所に興味のある方ヘ向けたブログです。
実際にお遍路(高知県内)を自転車で巡礼した経験をベースに書いています。
- 実走ルート(Google map)
- 道中の様子を描いたブログ
を残しましたので、ぜひご利用ください。
では、今回のルートから説明していきます。
室戸岬 ルート
徳島県境の民宿高砂から室戸岬へ南下し、札所をまわって高知県安芸へ行くルートです。
主なポイントはこちら。
- 55号線の一本道ロングライド
- 室戸岬ヒルクライム(勾配10%程度)
- 神峯寺ヒルクライム(酷道坂)
ロングライドあり、ヒルクライムありの行程になっています。
前半は退屈なので精神的強さが試され、後半は身体的な強さが試される。
高知が「修行の道場」と呼ばれる所以を体感できました。
項目 | 詳細 |
総距離 | 114.73 km |
獲得標高(のぼり/くだり) | 1,951 m / 1,959 m |
消費カロリー | 1,990 kcal |
難易度 | |
満足度 |
以下、旅の様子となります。
徳島 室戸岬 お接待
昨晩は徳島県と高知県の県境にある民宿高砂にお世話になった。
早朝5時過ぎに旅支度をしていると、ご主人に声をかけられる。
食堂に行くと新鮮なフルーツと珈琲が準備されていた。
ご主人曰く、ご接待とのこと。
感謝の気持ちを込めてお礼と納経札を渡し民宿高砂を後にする。
更になんとご主人と女将さんが玄関先までお見送りにきてくださった。
さぁ今日もお遍路開始だ。
どさっ。
なんと、55号線のど真ん中にサドルバックが落下した。
明らかにご夫婦が心配そうな視線をこちらに向けている。
慌てて拾い、サドルバックをしっかり装着する。
気を取り直して、太平洋沿いの55号線を進む。
徳島 室戸岬 55号線
朝一の海岸線は海風が気持ちよく、開けた場所で思わず立ち止まる。
もうすぐで徳島県を抜け、高知県に入る。
人生初の徳島県を訪問で感じたことは「他人に優しい」ということ。
お遍路がなかったら、徳島県に来る機会はなかったかもしれない。
徳島県の印象は「阿波踊り」か「渦潮」くらいだったが今は完全にファンとなっていた。
- たまたまそういう人たちと会った
- お遍路さんという特殊状況下
とわかっていても、この3日間で色んな人に助けてもらった。
東京で生まれ育ったせいか、他人の優しさにより敏感なのかもしれない。
やっぱり土地のことは実際に自分の五感で確かめないと良さはわからないな。
お世話になった徳島を振り返り、高知県の室戸岬を目指す。
徳島 室戸岬 同行二人
朝の55号線は貸し切り状態でしばらく走って一人で走っていた。
あまりにも単調な道でちょっと退屈だ。
なんて考えていたら、横から突然声がして飛び上がる。
声の主はマウンテンバイクお遍路おじさんだった。
え、待って待って、唐突すぎて状況を呑み込めない。
こちらの困惑をよそに、おじさんは質問を続ける。
ひと通り、話を聞いた結果がこちら。
- お遍路にはまっていて、通算5度目の巡礼
- 鉄人レース競技者で自宅には競技用ロードバイク(百数十万円)がある
だ、そうだ。
申し訳ないので、先に行ってもらうことに。
すぐに35m/h以上になってぐんぐん見えなくなった。
室戸岬どころか、もう追いつけないだろう。
おじさんは今日中に高知市内を抜けたいと言っていた。
「自分のペースで進められる」のはお遍路の良いところ。
遠のいて行く、おじさんをみながらそう思った。
室戸岬
薬王寺から約90kmの道のりを辿って、ようやく室戸岬に到着した。
小学校時代の思い出がフラッシュバックして、少しノスタルジックに浸る。
室戸岬は変わった地形の岬でジオパークとなっている。
室戸岬の一帯には遊歩道があり、散策できるように整備されていた。
少し先へ行くと坂本龍馬ゆかりの幕末の志士「中岡慎太郎」の像もお出迎え。
ここから高知県最初の札所「最御崎寺」は目と鼻の先の距離にある。
室戸岬はお遍路とも縁が深い土地だ。
弘法大師が19歳の時、室戸岬の御厨人窟(みくろど)で修行をして「悟り」を開いたとされる。
室戸岬周辺をウロウロ。
結局、御厨人窟を見つけられぬまま、次の札所の手前まで来てしまった。
室戸岬 ヒルクライム
室戸岬にある、高知県最初の札所「最御崎寺」へはもれなく最大勾配10%の坂がついてきた。
坂の不意打ちはダメ、絶対。
とても整備された道路だったので路面は最高だった。
左手には太平洋が一望できる。
路面も景色もいいんだけど、脚が足りない。
ヒィヒィ言いながら、高知最初の札所を目指す。
室戸岬 お遍路 24番
室戸岬の丘の上に到着した。
昔の人はすごい場所にお寺を作ったもんだ。
遂に「最御崎寺」に到着。
「修行の高知」は室戸岬から始まる。
お遍路で新しい県に入り、気持ちも新たに参拝をする。
境内までは階段を登って行く。
最御崎寺には「宿坊」も併設されていた。
(追記:お遍路二周目の際に宿泊しました。)
-
【宿泊】実際に泊まってわかった高知の宿泊事情(老舗旅館から宿坊までカバー)
続きを見る
想像していたよりも広い境内で人はまばらだった。
室戸岬には子供の頃に来たが、丘の上にお寺があるなんて知らなかった。
高知市内からも距離があるので、きっと観光客はあまり来ないのだろう。
ふと、そんなことを考えながら納経を終える。
駐輪場で自転車お遍路おじさんとまさかの再会。
おじさんのご厚意でしばらくご一緒させていただけるとのこと。
黙ってついて行くことにした。
室戸岬 お遍路 25番
おじさんについて行き、25番札所津照寺に到着。
ガイドブックを開くと津照寺は「船乗り」から信仰が厚い札所だということだ。
境内ではおじさんとは別行動となった。
山門が平地にあっても、本堂が平地にあるとは限らない。
手すりのありがたさを感じながら登る。
納経を終え、駐輪場へ戻る。
階段は下りの方が脚にくる。
駐輪場でおじさんが待っていた。
再び、おじさんと一緒に次の札所へ向かう。
室戸岬 金剛頂寺
次の札所「金剛頂寺」までの参道は坂だった。
室戸岬から丘の上にある札所が続く。
徳島県の「遍路転がし」で学んだ教訓を思い出す。
- 少しでもきついと感じたらギヤを落とす
- 怪我をすると思ったら、すぐに自転車を止める
この先はまだまだ長い。
おじさんには先に行ってもらい、あっという間に見えなくなった。
怪我をしないように一漕ぎ一漕ぎ、着実に進む。
すると段々とおじさんが大きくなってきた。
真意はわからないが、坂道でも一緒に走る人がいると力が出る。
結局、頂上にはおじさんより先に到着してしまった。
室戸岬 お遍路 26番
室戸岬の丘の上にある札所、26番金剛頂寺に到着。
駐輪場で息を切らしているとおじさんも到着。
勾配もそこまでキツくないし、単体では大したことがない坂なのだろう。
ただ、室戸岬から連続している坂道が難易度を上げているのだろう。
あと、もれなくついてくる参道の階段が本当に脚にくる。
やっと山門に到着。
でっかいわらじが両脇に立てかけられていた。
金剛頂寺は室戸岬の北西にあり、最御崎寺の「東寺」に対して「西寺」とも呼ばれる。
また、鯨の供養等があり別名「クジラ寺」とも呼ぶそうだ。
納経を終え、駐輪場に戻るとおじさんが自転車を見ながら待っていた。
その通りで今回の相棒のギア比は「11−25T」という完全なる平地仕様。
最後にアドバイスを残して、先を急ぎ、風のように去るおじさん。
室戸岬で再び一人となり、次の札所を目指す。
室戸岬 奈半利
次の札所「神峯寺」までのロードで看板を見つけたので立ち止まる。
ようこそ サンゴの見える町 奈半利へ
どうやらサンゴが名産になっている漁村のようだ。
休憩がてら、今日の宿泊地(ゴール)を決めることにした。
カロリーメイトとドリンクで補給しながら検索。
無理をすれば高知市内まで出れなくはないが、予定通り安芸市内をゴール設定。
徳島の「遍路転がし」が半分トラウマになっていた。
ネットで安芸駅周辺のビジネスホテル確保。
準備万端で「四国最恐の坂(おじさん談)」へ向かう。
室戸岬 神峯寺
次の札所「神峯寺」への参道はおじさんが言っていた通りの坂だった。
室戸岬から続く坂道とは明らかに毛色が違っていた。
- 路面状態が悪い
- 最大勾配10%以上
- 普通車のすれ違いが困難な程、道幅が極小
まさに徳島の「遍路転がし」と同じ三拍子そろった凶悪坂だった。
そう自分に言い聞かせ、先へ進む。
自分に言い聞かせながら慎重に自転車を漕ぐ。
最後の最後でこの勾配は凶悪すぎ。
もはや「壁みたいな坂」で迷わず足を着く。
お遍路 27番
「土佐の関所」とも呼ばれる27番札所神峯寺に到着。
境内はとても整備されており、藤の花がきれいに咲いていた。
高地にある札所はどこも緑が深く、そして静かだ。
ここにきて、本堂までは更に階段が続く。
弘法大師像があったので下の安全を祈願する。
読経を終え、納経所へ向かう。
納経所は階段の下にある。
ゆっくり階段を降りると脇に「土佐の名水」が沸いていた。
一口いただく。ゴクリ。
とても冷えた水だった。
何事も気持ちが大事。
納経所で御朱印も貰い、駐輪場に帰る途中で看板に気が付く。
急傾斜地危険個所
人生で初めて見たよ、この単語。
帰りはブレーキを握りしめて「急傾斜危険個所」を震えながら下った。
本日の目的地「安芸駅」へと向かう。
室戸岬 安芸駅
本日は安芸駅前のビジネスホテル「ホテルTAMAI」を予約していた。
自転車を軒先か駐輪場に置かせてもらおうかと思い受付で確認。
感謝を伝え、ホテル前で自転車を拭く。
室戸岬から坂続きだったのでだいぶ汚れていた。
明日は遂に高知市内だ。
ベッドに入るとあっという間に眠りにつくのであった。
お遍路の続きはこちら。
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