高知県内のサイクリングに興味のある方ヘ向けたブログです。
実際にお遍路(高知県内)を自転車で巡礼した経験をベースに書いています。
- 実走ルート(Google map)
- 道中の様子を描いたブログ
を残しましたので、ぜひご利用ください。
では、今回のルートから説明していきます。
高知 サイクリング ルート
高知市内を中心に周辺の札所やサイクリングロードを巡ります。
安芸駅をスタートし、市内の札所経由して須崎まで行き、高知駅へ戻ってくるルートです。
元横綱の朝青龍にゆかりのある「36番札所青龍寺」も見どころです。
35番札所清瀧寺の参道ヒルクライムが難所となっています。
「岩崎弥太郎の生家」にも立ち寄るルートなので興味のある方は営業時間の確認をお忘れなく。
項目 | 詳細 |
総距離 | 138.7 km |
獲得標高(のぼり/くだり) | 1,267 m / 1,244 m |
消費カロリー | 2,555 kcal |
難易度 | |
満足度 |
以下、旅の様子となります。
高知安芸くろしおサイクリングコース
昨晩は安芸駅前の「ホテルTAMAI」さんにお世話になった。
早朝6時スタートなので、静かに宿を後にする。
本当は「岩崎弥太郎の生家」に立ち寄るつもりだったが、営業時間が合わず断念。
朝イチでこの旅で初のサイクリングロード「高知安芸自転車道」を目指す。
期待に胸を膨らませ、入口を探しながら海沿いの道を行くと漁港が出てきた。
少し行くと脇に「サイクリングロード」の入口らしき車止めを見つけたので入ってみる。
海岸線に沿ってまっすぐ伸びる道が続いている。
無事に「高知安芸自転車道」に入れたようだ。
高知安芸自転車道の脇には大きなガードレールが何段にも積み重なっていた。
東京周辺ではあまり見ない光景だ。
そう言えばテレビで津波対策の番組がやっていた。
高知県は南海トラフ大地震が発生した場合、海岸地域が水没するとされている。
避難高台を作ったり、避難マニュアルを作ったり対策が進められているそうだ。
このガードレールも風や津波を防ぐ狙いがあるのかもしれない。
暫く走っていると昔鉄道の線路だった名残で線路と交差する場所と遭遇した。
「高知安芸自転車道」は元々線路を引くはずだった場所にあるサイクリングロードだそうだ。
傾斜も線路用に計算されているので、快適そのもの。
順調に進んでいるとパワーワードに遭遇する。
自転車道崩落
並走している国道へと迂回するが車道なので傾斜がきつい。
たまらず旧道に逃げ込む。
住宅地の合間を抜けるとサイクリングロードに復帰していた。
太平洋沿いの開けた道に出る。
防風林が海岸沿いにずっと続いている。
きっと晴れた日は絶景なのだろう。
防風林エリアを抜けると、線路沿いの道に出る。
高架下に「謎の小屋」があり、よくよく見ると「善根宿」と書いてあった。
善根宿とは「お遍路さんが無料で利用できる宿」とのこと。
地元の有志が提供しているケースが多く、各所に用意されているらしい。
周囲を観察していると茂みの向こうから犬の影が迫ってきた。
遠目に見ると、首輪がついていない。
思わず大声が出て、全力で自転車を漕いで逃げる。
アスファルトに響く犬の足音がだいぶ遠くなったので振り返ってみる。
野犬はこっちを見ていたがしばらくすると去っていった。
善根宿あぶな。
普通に野犬と遭遇したわ。
トンネルを抜けると高知安芸自転車道の終点はもうすぐそこだ。
サイクリングロードを終え、再び国道を進む。
高知 サイクリング 龍河洞
国道を進んでいると「龍河洞」の表示を発見。
山口県の秋芳洞、岩手県の龍泉洞と並び、日本三大鍾乳洞のひとつだ。
龍河洞には何度か行ったことがある。
次の札所は龍河洞のすぐそばだ。
お遍路 28番
本日最初は28番札所大日寺だ。
徳島県の4番札所と同じ名前の札所が高知県にもある。
高知は高台にお寺があるケースが多く、入口が平地でも油断ができない。
山門へは駐輪場から参道の階段を登っ、、、
足元が苔で滑った。
市内にある札所の階段は石段に加え、苔が生えていることもあるので注意が必要。
緑が深い札所で雰囲気がある。
早朝で小雨が降っているにも関わらず参拝者がちらほら。
観光のついでに札所へ来ている観光客の方かもしれない。
境内は整備されており、市内にある札所とは思えないほど静かだった。
参拝を終え、整備された日本庭園を通って、納経所へ向かう。
逆算して、朝一に安芸を出発してよかった。
予定通りに納経を終え、上々のスタート。
参道の下りは石段に加え、苔にも気をつけて慎重に降りる。
ここからしばらく高知市内の札所をまわっていく。
お遍路 29番
29番札所国分寺に到着。
大日寺に続き、四国霊場で複数の同名札所がある。
国分寺は「四国各県に一ヶ所ずつ」あり、今回が二度目の登場だ。
今度は山門も境内も平地にあるお寺だった。
境内は整備されていて、参道がきれい。
読経をしていると周りにどんどん参拝者が増えてきた。
大師堂の側で興味深い立札を発見。
酒断地蔵尊
なんと、お酒をやめたい人が願いをかけるお地蔵様だった。
私にも「高知県民」の血が流れているので健康のことを考え、ちゃっかり祈願。
「高知県に来た」という実感がだんだんと湧いてきた。
納経を終え、次の札所に向かうために国道へと出る。
高知 サイクリング 国道
高知市内の国道は路面が荒れている上に交通量が多く走りずらい。
国道を離れ、川沿いの旧道を進む。
旧道は横をバイパスが通っているので交通量が少なくて快適だ。
晴れてたら景色も最高だっただろう。
田舎道をのんびりと進む。
お遍路 30番
30番札所善楽寺の手前は上り坂だった。
坂を登り切るとオープンな境内が目の前に広がる。
何やら催し物でもあったらしく、この札所にも人がいた。
参拝を済ませ、駐輪場へ戻ると、恐らく30代女性に声をかけられる。
はい、お遍路さんです。
すると、両手に持ちきれないほどのお菓子と缶のお茶をいただいた。
高知県に入って初のお接待だった。
東京で知らない人に声をかけられても怖いし、そもそも声かけられない。
それが連続して起きるのが四国、お遍路なのだ。
感謝の気持ちと納経札をお渡しして、その場を去る。
高知 サイクリング 五台山
続く札所「31番竹林寺」は五台山の上にある。
高知県に入り、室戸岬から続く参道の坂にうんざり。
昨晩、一人作戦会議で「五台山裏参道歩き遍路作戦」を考えていた。
ちょっと「歩き遍路」も体験して、気分を変える作戦だ。
五台山の麓に自転車を停めて、歩き遍路の準備をする。
麓で駐輪している時に手が滑ってスマホが落下。
今日はそんなに漕いでないが、蓄積疲労で握力が無くなっているようだ。
階段も整備されているようだし、張り切って山頂を目指す。
しかも参道がだんだん荒れてきた。
終いには階段が崩れていて、参道の原型すらなくなった。
完全に誤算だった。
お遍路 31番
数十分かけて何とか登頂し、31番札所竹林寺に到着。
新緑がとてもきれいな境内がお出迎え。
境内にはお遍路さんもだいぶ増えてきた。
牧野植物園が隣にあるので観光客の方もたくさんいた。
単純に新緑を観光しにきても楽しめるくらい綺麗な緑。
景色を見ながら昔のことを思い出す。
そんな感傷に浸ってしまうほど綺麗な景色だった。
以前来たことがある唯一の札所だったので、納経所で白衣にも納経印を押してもらった。
すぐに汗でにじむんだろうけど、それはそれでいいのだ。
しっかり納経を済ませ、思い出にも浸り、先へ進む。
あの険しい参道へまた戻る。
禅師峰寺への遍路道とつながっていた。
石段に苔が生えていて普通に滑る上、竹林に蚊が大量発生していた。
蚊に追われながら滑るように参道を下る。
お遍路 32番
標高82mの丘の上にある32番札所禅師峯寺に到着。
高知は海抜高度が低いはずなのに札所は丘の上にあるのはなぜなのだろうか。
禅師峰寺の象徴ともなっている奇岩前の不動明王像にご挨拶。
また、境内からの眺望が素晴らしく、土佐湾と太平洋が広がる。
次の33番札所雪蹊寺には浦戸湾を渡る。
浦戸湾の渡り方は「安全渡し船コース」「危険橋渡り」の二通りある。
(追記:お遍路二周目で「安全渡し船コース」も体験したので記事にまとめました。)
-
【これで安心】高知の観光名所に続く「浦戸湾」を安全に渡る方法(自転車の方向け)
続きを見る
浦戸湾を渡ると桂浜の裏側に出る。
道幅が広く、広大な太平洋を独り占めできる。
桂浜まで来れば、次の札所はもうすぐそこだ。
お遍路 33番
桂浜のすぐ側にある33番札所雪蹊寺に到着。
こじんまりとした札所で境内に入ると大師堂、本堂、納経所がぐるっと見渡せる。
ここまで来ると高知市内の喧騒はほとんど無くなり、お遍路さんもだいぶ減った。
静寂の中、粛々と納経を納めて次の札所へ向かう。
お遍路 34番
雪蹊寺から約10㎞程いった場所にある34番札所種間寺に到着。
境内の入口で猫ちゃんがお迎えして来れていた。
平地の札所は粛々と納経を納めて、先へと進む流れになることが多い。
高知市内の札所は種間寺が最後だった。
コンっ、ぺちゃ。
行程を考えていると何かがヘルメットにあたった。
交通量がある区間を走行中で、特に痛みもなかったのでとりあえずそのまま進む。
高知 サイクリング 清瀧寺
高知市を抜けて、仁淀川にかかる橋を越えて土佐市に入った。
この先の35番札所清滝寺へは「参道ヒルクライム」が待っている。
事前調査をしてはいるものの、激坂と対面するまでは実際のところがわからない。
だんだん、この「出たとこ勝負」がお遍路旅の醍醐味に思えてくるから不思議。
「清瀧寺」の標識が出てくると同時に山が近づいてきた。
清瀧寺の参道は噂に違わぬ「酷道」だった。
車道が激狭で軽自動車がギリすれ違えるくらいの幅しかない。
距離は短いので何とか登っていたが、最後の最後で駐車場待ちの車が詰まっていた。
振り返ると良い景色が目の前に広がっていた。
本日のメインイベントを終え、境内へと向かう。
お遍路 35番
高台の上にある35番札所清瀧寺に到着。
巨大な薬師如来像が境内に佇む境内が特徴的な札所。
見晴らし台があるので、そちらにもまわってみる。
よーーーくみてみると、さっき「清瀧寺」の看板を見つけた交差点がある。
景色もいいので、少し休憩をすることに。
そういえば、さっきヘルメットに何か当たったな。
ひっくり返して確認するとビックリ。
自転車走行中に空を飛んでる鳥の落としものに当たる確率ってどんだけだよ。
こすっても広がるし、とりあえず水をかけて応急処置しかできず。
「うん」をつけて本日最後の札所へ向かう。
高知 サイクリング 宇佐大橋
海岸線の道路に戻って西へ向かい、宇佐大橋を渡る。
歩道がったがた、路面状態は最悪な宇佐大橋。
宇佐湾はとってもきれいでのどか。
この辺りは太平洋の波も穏やかで瀬戸内海のような湾が広がる。
橋を渡って海岸線を走るとスポーツで有名な明徳義塾高校の手前に右折の看板が出てくる。
プロ野球ファンとしては奥に行ってみたい気持ちがあるが、今回は抑える。
山間を走っていくと、ひっそりと佇むお寺が現れた。
そこが本日の最後の札所、36番青龍寺だ。
お遍路 36番
元横綱・朝青龍が四股名に使った事でも有名な札所「青龍寺」に到着。
朝青龍は明徳義塾高校相撲部出身で「朝青龍明徳」の名はこの地から取ったとのこと。
そう思うと不思議な感覚になる。
明徳義塾は全国屈指のスポーツ強豪校で野球も相撲もサッカーも何でも強い。
その裏にある札所だけあって、階段が完全にトレーニング仕様。
今日は一体、何段の階段を登ったのだろう。
一旦、息を整えて納経を納めていく。
無事、納経所で御朱印もいただき本日の参拝は打ち止め。
階段は下りの方が怖いので慎重に降りる。
本来はこのまま西の須崎方面に進むのだが、高知市内へと引き返すことに。
実は高知にいる親戚と連絡をとっていて、高知駅で合流する約束をしていた。
数年ぶりに高知の親戚と会うのだ。
高知 サイクリング 高知駅
無事、高知駅に帰還し親戚と合流した。
お遍路のお接待で晩御飯をご馳走してくれると言うではないか。
と言われたのでお言葉に甘えることに。
お腹一杯ご馳走になりました。
高知市内周辺をサイクリングで満喫した一日だった。
夜は親戚宅に泊めていただき、しばしの休息。
ふかふかの布団でゆっくりと眠りにつくのであった。
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