ロードバイク選び

「クロモリ」のロードバイクを購入するまでの全て(素材特性・メリットデメリット検討・試乗を通して、アルミ・カーボンと徹底比較調査)

クロモリのロードバイクってどんな感じなのかな?

クロモリのロードバイクに興味のある方に向けた記事になります。

この記事でわかること

クロモリロードバイク購入までの流れ

実際にクロモリロードバイクを購入した経験をベースに記事を書いています。

  • クロモリ 概要
  • クロモリ メリットデメリット
  • クロモリ 試乗
  • クロモリ メーカー
  • クロモリ 選び方

についてまとめました。

実際にクロモリのロードバイクを購入する前に検討した流れとなっています。

みなさんの愛車選びの参考になれば幸いです。

クロモリ 概要

長く乗れるロードバイクが欲しいなぁ、、、

そういう軸で自転車選びをする方もいらっしゃると思います。

私が「クロモリ」を検討したキッカケもそうでした。

でも「長く乗る=長い付き合いになる」ということだよなぁ、、、

納得した一台に出会うために、まずはクロモリの概要について見ていきます。

クロモリ とは

そもそも「クロモリ」とは何ぞや?

まずはそこから調べてみました。

クロモリは「クロムモリブデン鋼」の略称で「鉄・クロム・モリブデン等を混ぜた低合金鋼です。

クロモリの素材特性はどんな感じなのかな?

一般的に自転車に使われる素材と比較して、まとめてみました。

項目 クロモリ アルミ カーボン
強度(耐衝撃性)
剛性(振動吸収性)
重量
価格
耐久性(経年劣化)

「強度」「剛性」「重量」に関しては参考になる数値をまとめました。

項目 クロモリ(SCM430) アルミ(A6061) カーボン(T700)
引張強度(kgf/mm2) 758 425 500
ヤング率(GPa) 214 70 250
密度(g/cm3) 7.8 2.7 1.8

(出典:東レ「製品ラインアップ」、キャディ株式会社、Wikipedia

「引張強度」やら「ヤング率」やら「密度」と染みのない言葉が出てきたぞ、、、

各項目について説明していきます。

クロモリ 強度

「引張強度」は「強度」を表わす数値です。

数値上の裏付けはされているようだが、いまいちピンとこない。

実際にクロモリに乗っているショップの店員さんに聞いてみました。

クロモリの方が「耐衝撃性」において、アルミやカーボンと比較して優れていると思いますよ。

落車等の衝撃を受けた場合、クロモリの強度が際立つということだったのでまとめました。

素材 結果(落車等の衝撃を受けた場合)
クロモリ 衝撃を受けた箇所が凹んだり、曲がったりする場合があるが修理が可能な場合が多い。
アルミ 衝撃を受けた箇所が凹んだり、場合によっては破断することもあり、修理が難しい場合がある。
カーボン 衝撃を受けた箇所が破断することもあり、修理は不可能

強度(耐衝撃性)においてはクロモリは申し分がないようです。

クロモリ 剛性

「ヤング率」は縦弾性係数とも呼ばれ「剛性(振動吸収性)」と関係のある数値です。

ヤング率が高いと段差等路面からの振動を車体が吸収するので、クロモリ独特の乗り心地が生まれているんですよ。

クロモリをアルミと比較すると「乗り心地がまろやか」になるのはこういう理由だったのね。

「剛性」については別途まとめたので興味のある方はぜひ。

ロードバイクの「剛性」とはなんぞや(アルミ、カーボンとの違いから乗り心地まで解説)

続きを見る

クロモリ 重量

「密度」は「重量」を表わす数値です。

クロモリはアルミは約3倍、カーボンは約4.5倍も「重い」です。

重量で選ぶのであれば、アルミやカーボンに軍配が上がりました。

クロモリ 価格

クロモリはエントリーモデル価格帯の車体種類が多いです。

10万円前後のロードバイクの場合、クロモリかアルミの二択になると思います。

「最初の一台」や「普段乗りの二台目」として手の届きやすい価格帯が多いのは嬉しい要素です。

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クロモリ 耐久性

最後に「耐久性」について聞いてみました。

クロモリに長く乗っていますが、メンテナンスすれば数十年乗れる耐久性ありますよ。

耐久性について各素材の特性をまとめました。

素材 耐久性(落車等無い、同条件下の場合)
クロモリ 腐食耐性が他の素材と比較すると弱く、錆びる可能性があるが、フレームの寿命は50年以上とも言われる。
アルミ 金属疲労による経年劣化があり、フレームの寿命は10~15年程度の場合が多い。
カーボン 紫外線等による経年劣化があり、フレームの寿命は10~15年程度の場合が多い。

アルミやカーボンはそれぞれ経年劣化があるので10~15年程で買い替えが必要です。

クロモリは耐久性は高いので、メンテナンスさえすれば長年乗れそうです。

ただ、クロモリは「錆び対策」に十分注意してメンテナンスする必要がありそうです。

クロモリ 見た目

クロモリが「長く乗れる素材」なのは分かったけど、長い付き合いになるなら「見た目」も大事ですよね。

続いてはクロモリの「見た目」について説明していきたいと思います。

クロモリ フレーム形状

クロモリはフレーム形状の自由度が高い点が良さの一つです。

クロモリの主なフレーム形状は下記の2種類となっています。

  • ホリゾンタル
  • スローピング
トップチューブが水平になっている「ホリゾンタル」がクロモリフレームの主流です。

例えば、FUJIのホリゾンタルフレームはこのような形状です。

「オールドスタイルの見た目・ロングライド志向」の方にオススメのフレームとのこと。

「スローピング」はトップチューブが後方に傾斜している分フレームが小さくなる形状です。

例えばイギリスの老舗「ラレー」のスローピングフレームはこのような形状です。

「コンパクトな見た目・街乗り志向」の方にオススメのフレームとのことでした。

クロモリ 溶接方法

クロモリの主な溶接方法は下記の3つです。

  • ラグ溶接
  • ラグレス溶接
  • TIG溶接

それぞれの特性をまとめてみました。

溶接方法 概要 メリット デメリット
ラグ溶接 「ラグ」と呼ばれる部品でフレームのパーツを組み合わせる、主流の溶接方法。 ラグでフレームを繋げるので見た目がスッキリする。 ラグの分だけ重量が増えてしまう。
ラグレス溶接 フレーム同士を直接溶接する方法。 ラグ溶接よりも精密でよりスッキリした見た目になる。 ラグがない分、軽量化ができる。
TIG溶接 電気溶接で加工する方法。 ロウ剤で溶接するよりも低コスト。また、溶接部分が小さく歪みが出にくい点もメリットになる。 溶接面が盛り上がるため、後処理をしていない見た目が気になる場合がある。
「何を重視するか」によってオススメが変わります。
  • 「ラグ溶接」は「クラシカルな見た目重視」の方
  • 「ラグレス溶接」は「スッキリした見た目重視」の方
  • 「TIG溶接」は「お財布に優しいクロモリ」を探している方

それぞれにオススメとのことでした。

クロモリ メリット デメリット

クロモリのメリットとデメリットをまとめました。

項目 メリット デメリット
強度(耐衝撃性) 耐衝撃性に優れ、修理が可能な場合が多い。 -
剛性(振動吸収性) 振動吸収性が高く、乗り心地がマイルド。 カーボンと比較すると敵わない。
重量 - アルミと比べて約3倍、カーボンと比べて約4.5倍も重い。
価格 エントリーモデルのラインアップが充実している。 コンポーネントのグレードが上がるとハイエンドと大差ない。
耐久性(経年劣化) メンテナンスをすれば50年乗れる可能性がある程、耐久性が高い。 腐食耐性が低いため「錆びる」のでメンテナンスが必要。

ここにショップ店員さんと話した内容を踏まえ「抽象的な部分」についてもまとめました。

主なメリットはこちら。

  • 加工が自由でフレームの形状が綺麗
  • フレームが「しなる」ので一体感がある乗り心地

主なデメリットはこちら。

  • 漕ぎはじめ・ヒルクライムする際に車体の重さを感じる
  • 20km/h〜30km/hの間の加速が重い

ふむふむ。

「メンテナンス」についてはショップで質問してみました。

「錆び」に関しては特に雨や海岸沿いを走った時にメンテナンスをして、定期的にオーバーオールをする対策がいいと思います。

続いて「重さ」について聞いてみました。

都市部では信号や交差点が多いので「漕ぎはじめの重さ」は気になります。

(こればっかりは乗ってみないとわからないな、、、)

残念ながらショップにクロモリの試乗車はありませんでした。

なので、別途試乗ができる機会を探してみることにしました。

クロモリ 試乗

ネットで「クロモリに試乗ができる」ショップを探し、実際に試乗に行ってきました。

クロモリの試乗車はあまりなく、探すのに苦労しました、、、

アンカー(ブリヂストン)のクロモリに試乗してきた様子はこちら。

ブリヂストンのネオコットフレームに試乗する方法(試乗ルート付)

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やはり百聞は一見にしかずでした。

デメリットの「重さ」は確かに感じたものの、許容の範囲内でした。何より乗ってて「楽しい」感じを得られました!

アルミやカーボンにはない「乗り心地」がクロモリにはありました。

こうして、クロモリを購入する決意が固まりました。

クロモリ メーカー

さて、どのメーカーのクロモリを購入しようかな、、、

いよいよ購入する自転車選びです。

主要なクロモリのメーカーの一部を表にしてみました。

メーカー 概要 代表商品
ANCHOR(ブリヂストン) ブリヂストンサイクルが提供する自転車のブランド名。スチールフレーム製法Neo-Cot(ネオコット)が有名。 RNCシリーズ
パナソニック パナソニック創業者の松下幸之助が自転車店から職業経験を始めた影響があると言われる。POS(Panasonic order System)など手頃な車体の提供に定評がある。 ORCCシリーズ
ミヤタ(MERIDA 日本最古の自転車メーカーであったが、2019年にMERIDA(台湾)に株式が売却された。軽量フレームを作るのが得意。 freedomシリーズ
RALEIGH(ラレー) 1888年創業の老舗メーカー。クロモリフレームの提供に定評がある。 CRR
Calamita(カラミータ) イタリアンスチールフレームを扱う代理店ACTIONSPORTSが立ち上げたブランド。ハンドメイドフレームの提供に定評がある。 Calamita Due+
GIOS(ジオス) 1948年設立のイタリア・トリノのメーカー。「ジオスブルー」と呼ばれる青い車体が特徴的。 REGINA
COLNAGO(コルナゴ) イタリアに本社がある市販車からプロチームまで幅広く展開する自転車メーカー。フェラーリとのコラボレーションなども実施。 MATERシリーズ
cinelli(チネリ) 自転車選手だったチーノ・チネリ氏によって1948年設立されたメーカー。代表作「スーパーコルサ」は競技用自転車の原型となったと言われるほどの名車。 スーパーコルサ

世界各国に歴史あるメーカーがたくさんあります。

国内外の主要パイプメーカーも表にまとめてみました。

メーカー 概要 代表商品
KAISEI

(カイセイ)

1944年創業。現在も福島県で生産を続ける国産パイプメーカー。

カイセイNi-Cr-Moチューブ8630

TANGE

(タンゲ)

1920年創業。現在は大阪から台湾に生産拠点を移した国産パイプメーカー。 PRESTAGE、CHAMPION NO.1
Reynolds Technology

(レイノルズ)

 1899年設立。イギリスのバーミンガムのパイプメーカー。今までに提供したバイクで20回以上ツールドフランスを制覇している。 レイノルズ531、レイノルズ753
Columbus

(コロンバス)

1919年設立。イタリアのパイプメーカー。フェラーリのフレームにも使われた技術が自転車にも使われているメーカー。 SL、SLX

国産メーカーも頑張っているようです。

ただ、ここから選ぶのが大変でした。

クロモリ 選び方

クロモリを選ぶ際、色々な軸があります。

  • オールドスタイルのロードバイクに乗りたい
  • ツーリング用の丈夫なロードバイクを探している
  • オーダーメイドのロードバイクに乗りたい

などなど。

ぜ、、、全部捨てがたい軸なんだよな、、、

悩みに悩んで残った最終候補がこちらです。

イギリスの老舗「ラレー」のオールドスタイルのクロモリが格好がいい。


(選べる特典付)ロードバイク 2021 RALEIGH ラレー CRF Carlton-F カールトンF サモアブルー SHIMANO 105 2×11SP 700C クロモリ

いや、試乗したアンカーのRNCも良かったな、、、 国産ならパナソニックという選択肢もあるな、、、

最後は「自分の気持ち」を軸に決めました。

せっかく日本でクロモリに乗るんだし、国産のロードバイクに乗ってみたいな。

最後はセミオーダーメードができる「パナソニックのクロモリ」を購入しました。

パナモリの注文の流れはこちらにまとめました。

「パナモリ」カスタムオーダーの全て(購入時にシュミレーションした内容を徹底解説)

続きを見る

クロモリ まとめ

クロモリのロードバイクを購入するまでの流れについてまとめてきました。

  • エントリーモデル価格帯が多いので初心者の方も手が出しやすい
  • 耐久性に優れ、メンテナンス次第で数十年乗ることも可能なポテンシャルを秘める
  • 重量が気になる場合は迷わずアルミかカーボンにした方が良い

皆さんの愛車選びの参考になれば幸いです。

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